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よかろうもん

放送大学のレポートを LaTeX で作成して提出したのでメモ ~ Cloud LaTeX でしたためた 20 年越しの思い ~

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tl;dr

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一応, 放送大学の学生をやっているので, この時期になると通信指導と呼ばれるレポートを提出ことが求められている. このレポートを提出しなければ, そもそも単位認定試験を受ける権利が無くなってしまうので, この土日でなんとかレポートを書いた. そして, 提出はワープロ (!!) でも可能ということだったので, Markdown で書いて, Cloud LaTex を使って仕上げてみた.

LaTeX について

LaTeX とは

今更ながらに LaTeX とは.

www.latex-project.org

LaTeX is a high-quality typesetting system; it includes features designed for the production of technical and scientific documentation. LaTeX is the de facto standard for the communication and publication of scientific documents. LaTeX is available as free software.

LaTeX は高品質な組版システムで技術や科学技術文書を作成する為に必要な機能が揃っている. Wikipedia によると, もともとは TeX という数式の処理に優れていた組版ソフトウェアがあり, TeX を使ってもっと簡単に論文やレポートを作成したいという要望に応えて開発されたとある. また, その歴史は古くて 1985 年にリリースされとあるので, リリースされて 30 年以上経っていることになる. すごいなあ.

なぜ LaTeX を使ったのか

今回, レポートは作文用紙が同梱された封書にて提出するこになっている. そのレポートは手書きが前提となっていたが, ワープロでの提出も可能ということだったので, 20 年くらい前にセットアップで挫折した LaTeX を改めて使ってみようという思いに至った. たしか, Vine Linux (又は Slackware) をインストールした東芝のラップトップパソコンだったと思う. 結局, その時は手書きのレポートを提出したんだけど...

で, 時は流れて, 技術は進歩して LaTex はブラウザでも利用することが出来るようになっていて, 今回は Cloud LaTeX というサービスを利用することにした.

cloudlatex.io

改めて, LaTeX に触れる機会に巡りあって嬉しかったし, この技術の進歩に本当に感謝している. また, TeX コマンドに触れるのはほぼ初めてだったので, コマンドと文書を書いて, プレビューで表示して確認という流れが, 初めて HTML に触れて, ブラウザでプレビューしながら試行錯誤した時の感動が蘇ってきた.

Cloud LaTeX で認めた 20 年越しの思い

Cloud LaTeX について

cloudlatex.io

Cloud LaTeX については, 上記サイトの特徴に書かれているが, 個人的には以下の点について気に入った.

  • LaTeX 環境のセットアップ不要で, PDF の生成, ダウンロードまで行える!
  • シンプルなユーザーインターフェース (左ペインはファイルツリー, 真ん中がエディタ, 右が PDF のプレビュー)
  • TeX のコマンドを自動的に補完してくれる

始め方はとても簡単で, 幾つかの登録を行うだけですぐに文書作成を始めることが出来た.

Hello LaTeX

新規にプロジェクトを作成すると, 下図のようにサンプルの TeX ファイルが作成されているので, このサンプルを改変するだけで, それらしい文書を作ることが出来る. 実は, 今回のレポートはこのサンプルを少し拡張して文書を作成した.

ということで, 以下のような文書を作成して Hello world ならぬ Hello LaTex を作成してみた.

\documentclass[a4paper]{jsarticle}
\usepackage[top=20truemm,bottom=20truemm,left=25truemm,right=25truemm]{geometry}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\title{初めての \LaTeX}

\author{かっぱ}
\date{\today}
\begin{document}
\maketitle
\section{こんにちわ LaTeX}

こんにちわ,\LaTeX さん. 私について, 以下の図\ref{fig:watashi}に示します.

\begin{figure}[htbp]
  \begin{center}
    \includegraphics[scale=0.5]{figures/watashi.png}
    \caption{私です}
    \label{fig:watashi}
  \end{center}
\end{figure}

ということで, 楽しく \LaTeX を使っていきましょう.
 
\end{document}

下図のようにコンパイルボタンをクリックすると, 右ペインに PDF のプレビューが表示される.

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いい感じ.

今回のレポートで使ったコマンド

先述の通り, 今回提出したレポートについては, Cloud LaTex が用意してくれたサンプルをほぼそのまま利用させて頂いたが, せっかくなので, TeX コマンド等をまとめてみる.

LaTeX の基本構造

LaTeX 文章の基本構造は以下の通り.

\documentclass[a4paper]{jsarticle}
プリアンプル
\begin
本文
\end

プリアンプルとは, ページのレイアウトやパッケージの読み込みについて指定するセクションとなる. 今回のレポートでは, 用紙のマージンや DVI 形式のファイルを PDF 形式に変換するパッケージを指定している.

\usepackage[top=20truemm,bottom=20truemm,left=30truemm,right=30truemm]{geometry}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

\documentclass

\documentclass[a4paper]{jsarticle}

\documentclass コマンドでは文書クラスを指定する. 文書クラスは, 「論文」, 「本」, 「報告書」 等の文書の種類を指定する. 上記の例では, 用紙サイズ A4 で和文の文書クラスを指定している. LaTeX 文書では基本的にはこのコマンドから始める.

\autor

\author{かっぱ}

\author は読んで字の如く, 著者名を定義する.

\begin ~ \end

\begin{document}
本文
\end{document}

\begin から \end の中に文書を作成することなる. \begin から \end は「環境」と呼ばれる区切りを表現しており, 上記の場合 document という環境を示している. 尚, \begin から \end はネストすることが出来る.

\maketitle

\maketitle はタイトルを出力する.

\title{初めての \LaTeX}

\author{かっぱ}
\date{\today}
\begin{document}
\maketitle

\title, \author 及び, \date で定義したタイトルを出力する. これらは \maketitle より前に定義しておく必要がある.

下図のように生成される.

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\section, \subsection, \subsubsection

節, 小節等の見出しを出力する.

\section{ヘックション}
\subsection{サブヘックション}
\subsubsection{サブサブヘックション}

下図のように生成される.

f:id:inokara:20180527214706p:plain

\includegraphics

LaTeX で図を出力する為には, graphicx 環境の figure 環境と合わせて, includegraphics パッケージを利用する.

\begin{figure}[htbp]
  \begin{center}
    \includegraphics[scale=0.5]{figures/watashi.png}
    \caption{私です}
    \label{fig:watashi}
  \end{center}
\end{figure}

[htbp] は画像が表示される位置を指定している. 詳細については, こちらの記事がとても参考になった. また, \includegraphics[scale=0.5]{figures/watashi.png} で画像ファイルのパスや大きな (scale=0.5) を指定している.

下図のように生成される.

f:id:inokara:20180527214839p:plain

プリアンプル

プリアンプルとは, \begin{document} より前の行を呼ぶ. HTML で言うところの <body> タグの前の <header> から </header> タグに囲まれた部分という理解. この部分で文書内で利用するパッケージの読み込みや文書のマージン等を定義している.

% 以下, プリアンプルです
\usepackage[top=20truemm,bottom=20truemm,left=25truemm,right=25truemm]{geometry}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\title{初めての \LaTeX}

\author{かっぱ}
\date{\today}
% ここまでがプリアンプルです
\begin{document

ちなみに, コメントは % コメント と記載する.

ということで

LaTeX で文書を作成する面白さが 20 年の時を経てジワジワ解ってきた. 今後も, 機会があれば LaTeX を使っていきたいと考えている.

参考サイト

本記事の記載にあたって, 以下のサイトの記事を参考にさせて頂いた. とても解りやすく LaTeX の情報が整理されていてとても勉強になった.

www.latex-cmd.com

medemanabu.net

管理者の方にはこの場を借りてお礼を申し上げる. 本当に有難うございます.